多くの会社では、毎月の給与のほかに年に2、3回の賞与を支給しています。賞与の支給しかたは会社によって異なりますが、就業規則や労使協定で定められた「支給対象者の範囲」「支給基準」「支給対象期間」「支給時期」などに基づいて支給されるのが一般的です。
賞与支給額の決定方法も会社によって異なりますが、こちらについては支給対象期間中の勤務状況や勤務成績、会社の業績などを考慮して決定されるのが一般的です。
毎月の給与と同様に、賞与にも控除するものがあります。会社ごとの算定法にて決定された支給額から「健康保険(介護保険)」「厚生年金保険」「雇用保険」「所得税」などの控除額を差し引いた金額が手取り額となります。控除する項目は月次の給与の場合と少々異なりますが、支給方法や端数処理などは同じ要領で行なう事になります。
保険、所得税などによる控除額の算出のしかたは次のようになります。保険料に1円未満の端数が出た場合は切捨てとなります。
賞与の総支給額(1000円未満切捨て)×保険料率1000分の82 (事業主と被保険者とで折半)
賞与の総支給額(1000円未満切捨て)×保険料率1000分の90.9 (事業主と被保険者とで折半)
賞与の総支給額(1000円未満切捨て)×保険料率1000分の135.8 (事業主と被保険者とで折半)
月次給与と同様に、支払いの都度控除されます。保険料率は、一般の事業所では1000分の17.5(被保険者は7.5、事業主は10.5で計17.5)、農林水産業や清酒製造業は1000分の19.5(被保険者は8、事業主は11.5で計19.5)、建設業では1000分の20.5(被保険者は8、事業主は12.5で計20.5)となります。
計算方法は総支給額によって異なり、次のようになります。
また、雇用保険被保険者のうち、一般被保険者や高年齢継続被保険者で毎保険年度の初日(4月1日)現在で満64歳以上の人の雇用保険料は、事業主負担分も含めて免除になります。
賞与における所得税の課税対象となるのは、月次の給与と同様に「総支給額−(健康保険(介護保険)・厚生年金保険料+雇用保険料)=課税対象額」となりますが、控除額の計算方法は月次給与の場合とは異なります。その方法には一般的な「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表(以下「算出率表」といいます)」を使用する方法と、特殊なケースで「月額表」を使用する方法の2通りあり、次の表のように適用します。
| 社会保険料控除後の金額の区分 | 適用する税額表 | ||
|---|---|---|---|
| 甲欄適用者の場合 | 前月中の普通給与の支給がある人に支給する賞与 | 前月中の社会保険料控除後の金額の10倍以内のとき | 「算出率表」の甲欄 |
| 同じく10倍を超えるとき | 「月額表」の甲欄 | ||
| 前月中の普通給与の支給がない人に支給する賞与 | 「月額表」の甲欄 | ||
| 乙欄適用者の場合 | 前月中の普通給与の支給がある人に支給する賞与 | 前月中の風雨給与の金額の10倍以内のとき | 「算出率表」の乙欄 |
| 同じく10倍を超えるとき | 「月額表」の乙欄 | ||
| 前月中の普通給与の支給がない人に支給する賞与 | 「月額表」の乙欄 | ||
一般的に賞与の税額は、賞与の課税対象額に算出率表から求めた乗率をかけて算出します。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人の場合は「甲欄」を、提出していない人の場合は「乙欄」を使用し、次の手順で行ないます。
前月中の普通給与の支払いがない人に支払った賞与や、前月中の普通給与の10倍を超える賞与を払った場合、次のように月額表を用いて源泉所得税を算出することになります。
賞与を支払ったら「被保険者賞与支払届」を作成し、賞与の支払日から5日以内に社会保険事務所に届け出る必要があります。この届出を行なう事により翌月の保険料納入告知書で請求され、毎月の保険料と合算して納付することになります。
「被保険者賞与支払届」に記入する保険料は各被保険者の賞与額の1000円未満を切り捨て、その合計額に健康保険は1000分の82、介護保険は1000分の8.9、厚生年金保険は1000分の135.8を乗じた額(1円未満切捨て)になります。
月次給与での雇用保険と同様、そのつど納付する必要はありません。原則として年に1度、年度更新の際に納付します。
こちらも月次給与での所得税と同様、その事業所の所在地を管轄する税務署に、賞与を支払った月の翌月10日までに「納付書類兼徴収高計算書」に必要事項を記載の上、月次給与から控除した所得税とあわせて納付します。
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