2005.05.27
平成17年4月より個人情報保護法が施行され、5,000人以上の個人情報を取り扱う事業者はその管理についての基準が定められ、違反した事業者には罰則の適用がされることとなりました。
社内の人事部・総務部には、社員・パート・アルバイトの今現在働いている従業員の個人情報、さらにすでに退職した方の個人情報もあり、そのデータや書類は他に漏洩することのないよう、厳重に管理されなければなりません。
一方で労働・社会保険各法にはそれぞれ、個人情報を含む書類について、一定の保存期間が定められています。
定められた期間内は、書類を確実に保存しなければなりませんが、その期間が経過後は、書類を廃棄しても全く問題はありません。(廃棄方法は社内の基準によります)
以前は、何かの際の確認資料に……と保存期間を過ぎた書類であってもとりあえず保存しておくことが多かったようです。 しかし情報管理について企業の責任が明確にされ、その管理体制が問われている昨今では個人情報の漏洩を防ぐためにも、企業はその保存義務を負えた書類について廃棄処分をして、万一の事態が起こる可能性を少なくしておくほうがより安全であると言えます。
今回は、労働・社会保険の書類保存期間と、その起算日について特集いたします。
※労働社会保険にかかる書類保存についてのみを記載しております。税法・商法上の書類保存については記載しておりません。
| 法律名 | 法令 | 書類の種類 | 保存すべき期間の起算日 | 保存すべき期間 |
|---|---|---|---|---|
| 労働基準法 | (労働基準法第109条) | 労働者名簿 | 労働者の死亡、退職又は解雇の日 | 3年間 |
| 賃金台帳 | 最後の記入をした日 | |||
| 雇入れ又は退職に関する書類 | 労働者の退職又は死亡の日 | |||
| 災害補償に関する書類 | 災害補償を終わった日 | |||
| 賃金その他労働関係に関する重要な書類 | その完結の日 | |||
| 労災保険法 | (労働者災害補償保険法施行規則第51条) | 労災保険関係の成立に関する書類 | その完結の日 | 3年間 |
| 雇用保険法 | (雇用保険法施行規則第143条) | 雇用保険被保険者関係届出事務類 | 労働者の死亡、退職又は解雇の日 | 4年間 |
| 上記以外の雇用保険関係書類 | その完結の日 | 2年間 | ||
| 労働保険料徴収法 | (労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第70条) | 労働保険料の徴収・納付に関係する書類 | その完結の日 | 3年間 |
| 労働安全衛生法 | (労働安全衛生規則第51条) | 一般健康診断個人票 | 一般健康診断個人票を作成した日 | 5年間 |
| (労働安全衛生規則第23条) | 安全委員会議事録、衛生委員会議事録 、安全衛生委員会議事録 | 議事録を作成した日 | 3年間 |
| 法律名 | 法令 | 書類の種類 | 保存すべき期間の起算日 | 保存すべき期間 |
|---|---|---|---|---|
| 健康保険法 | (健康保険法施行規則第34条) | 健康保険法に関する書類すべて | その完結の日 | 2年間 |
| 厚生年金保険法 | (厚生年金保険法施行規則第28条) | 厚生年金保険法に関する書類すべて | その完結の日 | 2年間 |
出勤簿・タイムカード、36協定の協定書(協定の有効期限満了から3年)などがあります。
給付関係書類は、原則「個人が請求」するものなので、会社に保存義務はありません。しかし、会社の印を押印し証明した事項がありますので、写しなどを保存しておくべきでしょう。その期間については、概ね各法に定められた保存期間を満たしていれば良いと考えられます。
「労働保険関係成立届」をイメージされてる方もいるかと思いますが、保険関係成立届は労働保険料徴収法に規定する「労働保険料の徴収・納付に関係する書類」に分類されるため該当しません。労災保険法で規定する保存義務のある書類は現状では存在しないこととなります。(通達などにも記載はありません)
雇用保険適用事業所台帳や代理人選任届などがあります。事業の完結の日や代理人を解任した日以降、2年間の保存が義務付けられています。
実際の事業完結の手続きにおいては、雇用保険適用事業所台帳は、回収され「事業所廃止届」が交付されます。この廃止届を2年間保存する必要があります。
労働保険料の申告書は3年間保存で間違いありません。その起算日に明確な規定はありませんが、完結した日とは「保険料を納付した年度が終了した日」と考えた方が良いでしょう。ですので、納付日ではなく年度が替わる4月1日までは保存しておきましょう。
社会保険関係の起算日は全て届出の受理日となります。社会保険事務所や健康保険組合(保険者)が被保険者の資格について確認した日がその完結の日とされます。例えば、4月1日入社の社員の添付書類が不足して、6月1日に手続き・受理された場合には6月1日から2年間の保存義務があります。
このように書類の保存期間は、各法により様々な期間が設定されています。法律によっては、書類の保存義務違反に30万円以下の罰金など罰則が設けられているものもあります。書類の保存についてこの機会に、一度見直しをされてはいかがでしょうか?
個人情報保護法の全面施行により書類の保存についてその重要性が見直されてきています。
書類については、保存義務の遵守はもとより、管理の徹底をはかり的確なファイリングで確認が必要となった場合にすぐに取出しが可能な状態にしておきましょう。