2005.03.22
「国民年金」というと、未納・滞納などという言葉が思い浮かぶかも知れません。芸能人から政治家に至るまで昨年はいろいろと話題になりました。
毎月の給与や賞与で「厚生年金」が控除されている方々にはあまり馴染みがないかもしれませんが国民年金の加入義務がある(=保険料を支払う義務がある)のは、大雑把に言うと下記のような人たちです(原則)。
20歳以上60歳未満で 厚生年金等の年金制度に加入していない人
(ただし、厚生年金等に加入している夫または妻の健康保険で扶養されている人を除く)
しかし、馴染みがないとは言っても国民年金は実は身近な存在です。たとえば以下のような方々は国民年金に加入することになります。
さて、国民年金には収入(所得)の少ない方向けに保険料免除の制度があります。今回は、国民年金の保険料免除制度について対象となる主な例をご案内します。退職者の多いこれからの時期に同僚、友人、ご家族など周囲の方々に教えてさしあげれば、お役に立つことと思います。(文中「お住まいの市区町村」とは住民票のある市区町村を指します)
参考までに、国民年金の保険料は年齢や収入等に関わりなく3月分までは月額13,300円で4月分からは月額13,580円となります。
この場合は離職票のコピーなどをお住まいの市区町村の国民年金担当課に提示することにより、保険料の全額が免除されます。
ただし、夫、妻、父母などご家族と同居されている方についてはそのご家族の前年の所得額により、保険料の半額免除または免除されないこともあります。
4月1日から創設される「若年者納付猶予制度」が利用できます。お住まいの市区町村の国民年金担当課に申請することにより30歳未満(学生除く)の方を対象に保険料の全額が免除されますが妻または夫と同居している場合にはその前年の所得額により保険料の半額免除または免除されないこともあります。なお、この場合は所得のある父母とは同居していても免除の対象になります。
上記2例以外の理由によるときでもお住まいの市区町村の国民年金担当課に申請することにより免除されることがありますがその際基準となるのは前年の所得です。
前年収入が122万円以内なら保険料は全額免除。227万円以内なら保険料は半額免除。
世帯構成によって、免除の基準となる所得上限額が異なり世帯人数が増えるほど上限額も上がります。
国民年金は加入開始年齢が20歳と決まっておりフリーターでも学生でも強制加入となっています。しかし、前年収入が133万円以下であればお住まいの市区町村の国民年金担当課に申請することにより免除されます。
この場合、学生本人の前年所得で判断され父母や配偶者に所得があっても免除の対象となります。
その他の保険料免除のケースを簡単にご紹介します。
これらの場合はお住まいの市区町村の国民年金担当課に届出をするだけで保険料の支払いが免除されます。
これらの場合はお住まいの市区町村の国民年金担当課に申請をし、前年の所得等の確認がされた後に決定され、保険料の支払いが免除されます。免除には世帯人員やその所得により、全額免除と半額免除があります。
また、免除が認められた期間の扱いですが
保険料の支払が免除されているので未納という扱いにはなりません。老齢を理由とした年金をもらう場合、原則として25年以上の国民年金(厚生年金等諸制度を含む)の加入期間が必要ですが免除が認められた期間は『加入期間』に含まれます(未納の場合には加入期間にさえも含まれません)。
一方、加入期間の問題はクリアされても将来受給する年金額には影響があります。
保険料を支払った期間を1納付月とするならば、
というようにカウントされるためです。
そこで、免除された期間を過ぎてから保険料を支払う余裕ができ将来満額または満額に近い年金を受け取りたい、という方のために「追納」という制度があります。
これは簡単にいうと免除が認められた月から10年以内の期間、遡って保険料を支払うことができる制度です。ただし、免除された年度の翌々年度を超えると遡って支払う保険料に、一定率の加算(利息のようなもの)があります。それに対して、未納(滞納)の場合は2年前の月までしか遡って支払えません。
以上、年々複雑化する年金制度のほんの一部のご案内でしたが、何より重要なのは保険料を支払わず、免除の申請もしていないと未納扱いになるということです。それを防ぐためにも免除のような救済制度は十分に活用して頂きたいと思います。