2004.12.24
先の通常国会で決定した平成16年年金制度改正の概要が、厚生労働省から公表されています。
平成16(2004)年10月分から、厚生年金保険の保険料率が変更されています。平成29(2017)年8月分まで毎年0.354%ずつ引き上げられ、最終的に平成29年9月分以降は、保険料率が18.3%で固定されます。
保険料の値上げという耳の痛い話ではありますが、中には、ちょっといい話もあるようで、少子・高齢化のこの時代に合わせた制度をご紹介します。
現在、60歳から64歳までの年金をもらっている人たちは、基本的に会社に勤務していると年金額の2割は削られます。
さらに、「1ヶ月あたりの年金額」と「1ヶ月分の給料」を足して一定基準の額(月額22万円)を超えると、超えた金額の2分の1がもらえません。
しかし、平成17年4月からは、一律に2割の年金額を支給停止する仕組みが廃止されます。また、一定基準の額も22万円から28万円に引き上げられます。
「1ヶ月あたりの年金額」として10万円もらっている人が、「1ヶ月分の給料」15万円で働いてる場合…。
今までの制度の考え方では、働いていると年金の額の2割が強制的に削られるので2万円はもらえません。残り8割の年金(8万円)と給料(15万円)を足した金額(23万円)が、毎月の収入です。
| 1ヶ月あたりの年金額 | 年金の支給停止額 | 1ヶ月にもらえる年金額 @ | 1ヶ月分の給料A | 合計@+A |
|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 2万円 | 8万円 | 15万円 | 23万円 |
新しい制度では、年金は支給停止されないので、年金の10万円と給料の15万円を足した25万円全額が毎月もらえます。
| 1ヶ月あたりの年金額 | 年金の支給停止額 | 1ヶ月にもらえる年金額 @ | 1ヶ月分の給料A | 合計@+A |
|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 0万円 | 10万円 | 15万円 | 25万円 |
65歳以上の人たちも会社に勤務していると、70歳までは厚生年金保険の保険料が毎月の給料から引かれます。しかし、「1ヶ月あたりの年金額」と「1ヶ月分の給料」の合計額が48万円を超えなければ年金は全額もらえます。合計額が48万円を超えると、超えた額の半分に相当する額が1ヶ月あたりの年金額から引かれます。
ちなみに、60歳から64歳までの年金をもらっている人たちのように一律に2割の年金額を支給停止する仕組みはありません。
「1ヶ月あたりの年金額」が10万円で「1ヶ月分の給料」が15万円の場合、10万円+15万円=25万円全額もらえます。
現在の制度によれば、毎月の給与の額に関係なく年金は全額受給できていました。しかし、平成19年4月以降は60歳台後半(65歳から69歳まで)と同様の仕組みで年金の額が減らされることになるようです。
なお、70歳以上の人については、今までどおり保険料の負担はないようです。
平成27(2015)年4人に1人が、平成62(2050)年には3人に1人が65歳以上の高齢者という、かつて経験したことのない超高齢社会を迎えます。
高齢者であっても働ける人にはぎりぎりまで働いてもらい、負担もしっかりしてもらうということになるのは、仕方のないことかも知れません。